所得税をいじろう

増税というと「消費税」のことのようになっているが、累進税率を上げるとどうなるんだろう。
現在は1800万円以上の個人所得に対して40%の課税が最高である。中曽根総理の時代から徐々に下げられ現在は低い水準にある。
一昨年に若干税率が上がっているが、所得に対する課税率がいかにも不揃い。暫定的にいじっているのが見え見えである。

所得税率(2007年〜)
195万円以下 5% 195万円超 10% 330万円超 20% 695万円超 23% 900万円超 33% 1800万円超 40%

1984年以前は19階級に別れ最高税率は75%であった。3000万円超 50% 5000万円超 60% 7500万円超 70% 10000万円超 80%というぐらい税金を払ってもらって良いだろう。スポーツ選手などの高額所得できる期間が不確実な職業の場合は年金などに振り替えて手当てできるようにすればいい。もちろん、配当や利子・譲渡などの所得も給与所得などと一元化し総合課税するべきである。
これには、納税番号制度、あるいは国民総背番号制度が必要になるだろう。この手の制度は過去に何度も提案されているが反対が多くて潰されている。私も導入に反対していた。
公的な番号制度がないために、ばらばらに情報が蓄積され、ほとんど規制がないままに利用されている現状を見ると、きちんとした制度の下に厳しく目的を限って利用した方が良いと思うようになってきた。運転免許を持っている人たちは何かの契約をするとき提示を求められたことがあるだろう。そこから基本的な個人情報が吸い上げられている。警察もその番号で個人情報をおさえているだろう。
この際、公正な徴税制度を構築するためにも、ぜひ番号制度をきちんと作って欲しいものだ。

所得の再分配をもっと拡大すること。
実質的な景気浮揚にはこれが必要だ。経済的流動性は潤沢であるが、流動性というのに動いていないのが現実だ。
新自由主義的経済活動によって、お金は実際必要としている人から豊かでもう使い道がほとんどない人たちに流動していった。金持ちたちの浪費と実態のない需要によって物の値段は攪乱され、証券化によって実態が見えなくなった紙切れに貧乏人が消費に使ったお金がつぎ込まれたのだ。
有るところに偏ることで循環が滞る。無いところに持って行けばすぐに消費され循環される。

さあ、累進税率を上げるという議員はいないのか。