「あきれてものがいえない」とはこのことだ。

麻生太郎首相は5日の衆院予算委員会で、日本郵政グループの4分社化体制について「四つに分断した形が本当に効率がいいのか。もう一回見直すべき時に来ているのではないか」と述べ、サービスや採算性向上のために再編する可能性を示したということだ。
麻生を選んだ自民党議員は郵政改革法案に賛成した議員。しかも衆院は、争点が郵政改革一点だった前回選挙で選ばれた議員である。
もちろん麻生もその一人であり、小泉内閣総務相だったわけだ。
結果的に賛成票を投じているし、郵政民営化も含めた小泉構造改革路線を閣僚として政党幹部として支えていたのは事実である。
彼は自分のとった行動に対し全く責任を感じていない。
あの選挙で自民党が大勝し、与党が衆院で三分の二以上の議席を得たことは、国民に非常に大きな影響を与える結果になったのだ。

郵政民営化の中身を変えることは構わない。
ただし、選挙で示したプランを変えるからには十分な説明責任を示して再度国民に問わなければならないはずだ。
にやにや笑いながら、自分は反対だったなどと言い訳するのは代議員としてひどく不真面目な態度であるし、そういう男が首相であることは日本国民の恥である。
郵政選挙で選ばれた与党議員はこの首相に不信任を突きつけても良いはずだ。


前回選挙で与党に投票した人たちは大いに反省して欲しい。
キミたちの投票は結局こんな男を首相にしてしまったのだ。
小泉の詭弁に騙され、マスコミに踊らされたと言っても、小泉のプランに欠陥があることはあの当時から示されていた。新自由主義的な政策の危うさについても示されていた。所得の格差が拡がることも解っていたはずだし、米国金融のバブル状態も噂されていた。
冷静に判断すれば小泉路線があれほどの支持を受けるとは考えられない。

前回選挙の結果が出た後、小泉を推した有権者に恨み言を書いた覚えがある。
「これが民主主義でありそれが行われる国の国民としてこの結果を甘んじて受け入れよう。しかし、選んだからには後から泣き言を言うな」とね。