ブログ市長の選挙

鹿児島県阿久根市で市長選があった。
これが普通の選挙じゃない。顛末をwikipediaから引用する。

竹原市長を巡っては市議会との間で対立が続き、2009年2月6日に市議会が全会一致で不信任を決議し、これを受けて市長は議会を解散した。同年3月22日に行われた市議会議員選挙の結果、市長派5人、反市長派10人が当選となった。17日に招集された市議会において、再度の不信任案が可決され、市長は地方自治法に基づき失職となった。5月31日に行われた出直し市長選で、竹原前市長が再当選した。

しかし、この市長は公職選挙法違反の疑いで元市議等から告発されている。有罪になれば失職することになる。

当選を伝える記事(共同通信

……無所属の竹原氏が、無所属新人の元国土交通省職員田中勇一氏(56)を破り、再選を果たした。投票率は82・59%。
 反竹原派の市議11人が支援した田中氏との一騎打ちを制した竹原氏は、市政改革を訴えて議会と対立し「独善的」と批判された行政手法に信任を得たことになり、今後も強気で市政運営に臨むとみられる。
 ただ、反竹原派が議会(定数16)の主導権を握る状況に変わりはなく、対立の再燃で市政停滞が長引く可能性もある。
 竹原氏は選挙戦で、議会側を「議論する頭もない」などと酷評。市職員も「給与に見合った仕事をしていない」などとして改革の必要性を強調し、自らバイクでビラ配布を行うなどの地道な活動で支持を拡大した。


市議会と市職員を敵に回してどういう政治ができるんだろう。
天下り官僚相手だったから、かろうじて勝てたという感じなのか。市の世論は二分されているわけで、議会が市長側に転回するとは考えられない。
市職員の給料だっていわれているほど高いわけではない。ラスパイレス指数で全国平均や類似団体平均より下回っている。
ちなみに同程度の人口の市と比較してみた。


県・市名      職員数/人口     一人あたりの給与費  給与費合計  
鹿児島県阿久根市  239/24595*100=0.97% 6333000円  1513710000円
北海道富良野市   281/24847*100=1.13% 6252000円  1756806000円
長野県飯山市    234/24917*100=0.94% 5795000円  1356082000円
大分県豊後高田市  335/25043*100=1.34% 6080000円  2036904000円
宮崎県えびの市   269/23183*100=1.16% 5949000円  1600277000円
鹿児島県枕崎市   249/25186*100=0.99% 6469000円  1610855000円


人口5万人の例
千葉県館山市    392/50461*100=0.78% 6208000円  2419705000円
高知県南国市    414/50084*100=0.81% 6350000円  2628811000円
長崎県島原市    369/49962*100=0.74% 6094000円  2248674000円
人口10万人の例
鹿児島県薩摩川内市1147/102397*100=1.12% 6134000円  7035405000円
三重県伊賀市    1149/97608*100=1.18% 5837000円  6706397000円
秋田県横手市   1227/105826*100=1.16% 6078000円  7458246000円
人口25万人の例
東京都府中市   1235/240676*100=0.51% 7036000円  8689997000円
神奈川県平塚市  1731/256304*100=0.68% 7162000円  13049427000円
青森県八戸市   1280/245128*100=0.52% 6165000円  7891714000円

 
 特に選んだわけではないが、各自治体とも不思議なほど類似団体に横並びという様子が見える。
これはどういうわけなんだろう。総務省あたりから指導されているのだろうか。
 市職員の給与が一般市民よりも高いことを訴えれば、反感をもつ市民の支持を得られやすい。しかし、たかだか200人余りの職員を使いこなせない市長ということでもある。自治体がこういう構造になったのは55年体制をいまだ引きずっていることの証なのかも知れない。中央も同じ構造に見えるのだが…