糞教育論は聞きたくない。

 お笑いニュースショーに常連のコメンテーターは陰惨な事件や風紀が乱れた風潮の原因を「戦後教育」にしてお茶を濁す。何かが起きと「教育」のせいにしたがるようなやつは、自分の子どもが問題を起こすと全部学校や教師のせいにして文句を言う「モンスターペアレンツ」なんだろう。
 
 子どもは「学習」して育つ。何を学習させたらいいか育てる側が選び教えることを「教育」という。ほとんどの子どもたちは保育園・幼稚園をはじまりとして、公的な機関の中で教育を受ける。狭義で「教育」といえば「学校教育」をさすのだ。確かに子どもたちは学校で多くの知識を得ることができる。しかし、子どもたちは学校で得た知識以上に社会から多くを学習しているのだ。  
 家庭、往復の通学路や遊び場所、テレビ番組、ゲーム、オモチャ、本や雑誌、新聞、インターネットなど触れることのできるメディアの全てから情報を受け取り交換して知識にしている。すなわち大人がする「教育」的効果を考慮しない言動から「学習」しているのである。コメンテーターが「教育」のせいにしている時、そのコメンテーターの言動から「学習」するのが子どもたちだ。 
 子どもたちは直感的にコメンテーターの品性を嗅ぎ取り、その言動から本当の意味を読み取るのだ。大人以上に胡散臭さには敏感だ。そして、社会に対して失望する。大人は責任を「教育」に転嫁する前に自分たちで築いてきた社会が与える「教育的影響」について責任を負うべきなのだ。