麻生政権、ラッキーなのに…

南部・増川・小林の物理学界を代表する御三方がノーベル賞受賞したニュースが飛び込み麻生政権はずいぶん助かったことだろう。
いずれは受賞すると考えられていた御三方だったが、南部さんは高齢の故、早くとらせてあげたかった。他人事ながらうれしく思う。

昨日はたまたま自動車で移動中、国会中継を所々聞くことができた。
野党からの質問にまともな回答を出せない与党。景気不安を煽って補正予算を正当化するのが関の山。官房長官国家公安委員長の疑惑に対しても全く払拭することができなかった。
しかも、野党が補正予算賛成に回るという見込が出ると、さらに景気対策が必要と延命策。予算編成までやるつもりなのだろうか。

自民党衆院選独自調査で惨憺たる予測が出たと噂が流れている。
次の日から、麻生をはじめとして自民幹部の物言いが変わった。早期解散を回避しようと動き出した様子はすぐにわかった。正直な連中だ。
政権にとってラッキーなことに9月29日の新ブラックマンデー、米投資銀行の破綻、金融不安が世界を駆けめぐり、実体経済にも大きく影響を与えようかとされている。
外からの混乱や不安は政権与党を味方するのが普通。戦争になれば9割方の世論が政権を支持するようになる。
おそらく、麻生政権にもその力は働いているだろう。新政権ご祝儀支持もまだあるはず。
こういう条件で支持率は下がる一方とはどういう政権なのだろう。
麻生は民主党ボーンヘッドを待っての解散しかないのかもしれない。
民主党は最悪来年秋まで選挙にならないことを覚悟につまらないミスをしないことだろう。

さて、原油穀物などの先物は実需に見合う価格まで下げ、株価も金融バブル以前の水準に戻った。健全な状態に戻ったと見るべきだろう。米国のような不健全な消費市場にもたれて造られた経済を立て直す良い機会である。当面市場縮小による経済悪化はあるだろう。しかし、まだしばらくは市場拡大する方向であることは変わらない。むしろ、米国という箍が外れ多極化していくことで新たな局面が生じるだろう。
混乱の世紀になるかもしれない。暴力的な混乱が拡大しないことを祈る。