無罪判決「福島県立大野病院事件」

注目していた裁判だった。
経緯を見る限り当然無罪と思われる裁判だから、司法の判断に注目していたのだ。
8月20日福島地裁は無罪判決を出した。司法もたまにはまともな判断をする。
穿ってみると、被告のバックに産婦人科学会がついたことがかなり影響したのではないかと思う。
専門家の団体から政治的な圧力を感じて当然とも思う。
これが、一般市民の支援団体なら軽く見ていたのだろうと思う。

弁護側の証人は産科の権威であり、鑑定人としてより適切だと言うことを検察側の鑑定人が証言している。

http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%C2%E8%CF%BB%B2%F3%B8%F8%C8%BD%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6%2807%2F7%2F20%29
周産期医療の崩壊をくい止める会のホームページ、第六回公判 傍聴記より(文責 佐藤章)

弁護1: 先生は、婦人科腫瘍の分野で鑑定人候補者になっていますね。
証人: 昨年までは
先生は、周産期では鑑定人になっていませんね
証人: はい
弁護1: 周産期医療に関することで、産婦人科の専門医の知識で書くということについて、先生は言われたということですが、それに対して警察官は何も言いませんでしたか
証人: 言っていませんでした。
弁護1: わが国の周産期の専門家で、先生が信頼をおく方にはどういう方がいらっしゃいますか
証人: 名前を挙げるということですか
弁護1: はい
証人: 東北大学の岡村教授、福島県医大の佐藤教授、北里大学の海野教授、昭和大学の岡井教授、名誉教授ですが大阪大学の村田名誉教授、九州大学の中野名誉教授、宮崎大学の池ノ上教授です。
弁護1: 本件についてそのような方が鑑定書を書くのがより適切だとお考えになりますか
証人: そう思います
弁護1: 先生が名前を挙げた、東北大学の岡村先生、宮崎大学の池ノ上先生には、弁護側の意見書作成をしていただいているが、証人はご存じですか
証人: いいえ

引用したHPを作っているのは 引用中にも名前が出てくる福島県立医科大学産婦人科教授である佐藤章氏である。
彼の判決後のインタビューを読んである疑惑に確信が持てた。

http://obgy.typepad.jp/blog/
産科医療のこれから「ほっとしたが、なぜ逮捕されたか疑念は晴れず」より引用

――医療事故の調査と言えば、「県立大野病院医療事故調査委員会」がまとめた報告書が発端になっています。以前、先生に、「加藤医師の過失と受け取られかねない部分があるので、訂正を求めた」とお聞きしました。
 
(佐藤教授) はい。ここ(佐藤先生の教授室)に院長と県の病院局長が来て、「もうこれで認めてください」と言うから、「ダメだ」と言ったんです。
   
――それは遺族への補償に使うからですか。

(佐藤教授) そうです。「先生、これはこういう風に書かないと、保険会社が保険金を払ってくれない」と言ったんです。
   
――でも、県はそれを否定しています。

(佐藤教授) 絶対にそんなことはありません。医療事故調査委員会の委員の先生方も、そう(補償に使う)と聞いているそうです。
    
――事故調査報告書が刑事訴追に使われることは想定されていなかった。

(佐藤教授) 私が「最後までダメだ」と言い張ればよかったのですが。
 今回のように刑事訴追に使われる可能性を考えると、事故調査報告書をどう書けばいいか、難しいですね。厚生労働省が考える「医療安全調査委員会」も、うまく機能するのか。だから私が思うのは、行政ではなく、医師同士、専門家同士が調査して、「これはお前、ダメだ」などと自浄作用を働かせる仕組みの必要性です。そうでないと、国民は納得しないと思います。

「県立大野病院医療事故調査委員会」がまとめた報告書は保険会社から保険金を引き出すために過失の有無を恣意的に選んでいると読めるのである。本来過失がないのに過失があったと捏造したと。
執刀医であった加藤医師もこれを認めて行政処分を受けている。
県の役人が考え出したことなのか。

刑事事件になって保険請求はしていないようだが、「県立大野病院医療事故調査委員会」なるものをわざわざ作って、おかしな内容の報告書を出させる。
捜査当局は立証はこの報告書が元になっていることは明らかだ。

http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/files/houkokusho.pdf
報告書「県立大野病院医療事故について」