小泉進次郎の米軍擁護発言

「多くの人の受け止めは、またかということ。ただ、事故のヘリは東日本大震災で捜索救難活動の実績もあるトモダチ作戦の大きな功労者だ」とも強調、事故で犠牲になった隊員に哀悼の意を表し、墜落のみを大騒ぎする一部メディアを牽制した。

 8月10日ウェブで配信されていた産経新聞の記事から抜粋した小泉進次郎の発言である。http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130810/stt13081018000004-n1.htm


 事故の犠牲者を悼むことと『トモダチ作戦』を結びつけることは善のイメージ作戦そのものである。
 
 もし、事故の犠牲者にまきこまれた市民がいたとしたらどう考えるのだろうか。自動車事故に当てはめてるといい。事故を起こした運転手や同乗者よりは巻き込まれた歩行者に同情が集まるだろう。
航空機の事故はたまにある。軍の訓練における事故の確率は一般の事故よりも高い。しかし、より安全確実に高度な作戦を実行するために、リスクのある訓練をする必要があると関係者は考えている。 『トモダチ作戦』とは関係なくこういう事故は起きるのである。

 災害救助などの人道的支援はヒトとしての義務だと思っている。自衛隊や米軍のような組織はそういう緊急事態のために日頃から訓練し給料をもらっているいわばプロである。米軍は日本に基地を置きその維持のために日本は多額の負担をしてきた。在日米軍駐留経費の日本側負担額は思いやり予算年間1850億円余りだけではなく、基地周辺対策費や地代などを含めると 総額7000億円ほどになる。『トモダチ作戦』は無償の人道的活動ではなく日本に駐留する軍として本来的な活動のひとつと考えるべきだろう。もしあのとき彼らが何もしなかったらそれこそ同盟国としての信義を疑わなければならない不作為になる。

 問題は危険な訓練を一般の人々が生活する地域で行うことである。地位協定によって米軍にはそれができると約束されていることが一番の問題なのだ。それを改めるという具体的な方針が示されない限り小泉真二郎の発言は米軍のための発言にしか聞こえない。